『苦しかった時の話をしようか』(著:森岡毅)感想

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ビジネス書のレビュー100冊を目指す企画の3冊目です。

まだこちらの本を読んでいない方、森岡毅氏の名前を知っている方、キャリアや就活で悩んでいるが頑張りたくても頑張れない方におすすめの記事です。

 

 

今回はこちら。
苦しかったときの話をしようか ビジネスマンの父が我が子のために書きためた「働くことの本質」
著:森岡毅
出版社: ダイヤモンド社 (2019/4/11)

 

 

 

日常消費財大手P&G、大阪のアミューズメントパーク USJを経て、マーケティング専門集団「刀」の経営者へ。
日本を代表するマーケターである森岡毅氏がこれから社会へ羽ばたこうとしている娘へ宛ててしたためた文章を書籍化。
ビジネス書ながら文の隅々まで愛が注がれています。

 

 

戦略家・マーケター。
高等数学を用いた独自の戦略理論、革新的なアイディアを生み出すノウハウ、マーケティング理論等、一連の暗黙知であったマーケティングノウハウを形式知化し「森岡メソッド」を開発。経営危機にあったUSJに導入し、わずか数年で劇的に経営再建した。

 

1972年生まれ、神戸大学経営学部卒。
1996年、P&G入社。日本ウィダルサスーン、北米パンテーンのブランドマネジャー、ウェラジャパン副代表等を経て、2010年にユー・エス・ジェイ入社。革新的なアイデアを次々投入し、窮地にあったUSJをV字回復させる。
2012年より同社チーフ・マーケティング・オフィサー、執行役員、マーケティング本部長。2017年にUSJを退社し、マーケティング精鋭集団「刀」を設立。
「マーケティングで日本を元気に」という大義の下、数々のプロジェクトを推進。USJ時代に断念した沖縄テーマパーク構想に再び着手し注目を集める。
著書に『USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか?』『USJを劇的に変えた、たった1つの考え方』『確率思考の戦略論』(いずれもKADOKAWA)など。

引用:アマゾン

 

 

確率思考の戦略論
マーケティングとは「組織革命」である。 個人も会社も劇的に成長する森岡メソッド
USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか?

 

などすでに多数の関連書籍を上梓しており、私も『組織革命』『ジェットコースター』はすでに読破しています。

この本を通して次のような視点や知識、感想を得ました。

 

1.面接やキャリア設計に有用なポイント「T 型」「C 型」「L型」
2. 本質的に悩むべきは具体的な就職先ではなく、自身のキャリアにとって重視すべき「軸」
3. 資本主義(ビジネスの市場)では人はひたすら努力を要求される
4. 森岡氏ほどの才覚を持ち研鑽を積んだ人間でもP&G本社に転属された際には差別を受けた
5. 森岡氏は激務によるストレスで電話が取れなくなったり、血尿を出すほど追いこまれたことがある

 

 

また次のような疑問,というか違和感も得ました。

6. 森岡氏のように「自分の好きなことが(ビジネス分野において)はっきりしていて」かつ「知力、体力のあふれる人間(エリート) にしか成しえない、再現性のないもの」なのではないか?

 

汎用的なキャリア設計に役立つ「T 型」「C 型」「L型」

まずは上記の1と2について。

 

T は Thinking
C は Communication
L は Leadership

の頭文字です。
この3区分がキャリアを考える上で大切であるというのです。

もちろん、全てを兼ね備えた人物が求められています。
しかしそんな人間ばかりではありません。
あくまで自分の中で好きなものや得意なものを優先していくことで、自分のキャリアの軸を明らかにすることが自分にとって大切なのです。

 

本文中には具体例が載っていたので、あてはまるものがきっとあるでしょう。
(常に課題を設定して解決するのが好き、とか)

 

この「軸」を考える上で、それでもピンとくるものがないならアミダくじで決めれば良いという話もありました。
実際にアミダくじで決めようと思うと消去法で自分の軸が明らかになりそうですよね。
「通勤で2時間は流石に遠い」とか。
「手取り15万は流石に安い」とか。

 

じゃあそれが軸になるでしょ?ということでこれは納得。

 

 

ぬぐえない違和感の正体

3.4.5 について、本書を読み進めていく上で感じる違和感。

 

それは端的に言えば
「いやいや、俺は森岡さんみたいに好きなものが仕事やキャリアに直結してないよ」
「血尿出すまで働けるわけない」
「地方に暮らしているからやりたい仕事なんて周りにない」
「持病や介護でキャリアに全力を注げない」
などではないでしょうか。

 

実際に私も今年は大きく体調を崩してまったく頑張れない体になってしまいました。
そうするとキャリアもクソもないわけです。

 

疑問を煮詰めていくと
「森岡毅というエリートの再現ができる人材はそもそもこんな本を読まなくても、成果出してるんじゃないの?」
(≒こんなの考えても無駄じゃね?)

ということです。

 

それが6の疑問に表したことです。
大企業に入って定年まで勤め上げるという多くの人にとって再現性のあるキャリアは最近批判されがちです。
しかし森岡さん自身世界的大企業出身ですからね。
やはり新卒は大企業に就職してからじゃないと話にならないのか?(失敗したな・・・)と感じます。笑
もっとしっかり就活していれば!

 

 

でもこれは仕方のないことかもしれません。

好きなラッパーの歌詞にこんなものがあります。

こういう時に携帯やネットは少しも役に立たない
自分の居場所を誰かに聞くことはできない

引用: いつか来るその日のために

 

自分の居場所は自分で見つけるしかないのでしょう。

 

 

余談

学生の時分から世の中にはこんな「職能」(職業でなく)があるというのをもっと知りたかったですね。
というか、サラリーマンはもっと「こんな仕事や職能、ポジションが世の中にはあって、 それにはこんな経験や能力があると良い よ!」というのをもっと発信すべきでないでしょうか。

 

そういう意味では森岡氏は 「仕事」「キャリア」「職能」と学生生活をきちんと考えた上で、発信したのでしょうね。

 

実はこの本は、森田氏の娘に向けて執筆された原稿が元になっています。
でも20そこいらの自分がこれを読んだとして、果たしたこの内容を理解し、共感できたかは疑問です。
なぜなら働くということに対してあまりに実感が無いからです。

 

接客業以外でもっとアルバイトとかインターンをして実感が湧く社会になると良い気がします。

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